億7千万年前に人類滅亡を画策し、惑星ネメシスに封印された魔女バンドーラとその手下たちが、ネメシスに飛来したスペースシャトルの乗組員たちのミスで復活し、再び地球を狙う。しかし、長い眠りについていた古代人類の戦士たちもまた、彼らと戦うために不思議仙人バーザによって目覚めたのであった。
6人目の戦士ドラゴンレンジャーの登場や、守護獣の真の姿である究極大獣神の復活を経て、物語は地上に残された最後の恐竜の卵を巡る神と悪魔との決戦に向かっていく。
スティーヴン・スピルバーグが監督を務めた『ジュラシック・パーク』の影響から、本作品では恐竜がメインテーマとして選択されている。同作品が公開されたのは本作品終了から半年後であるが、東映の吉川進は「スピルバーグが恐竜の映画を撮り始めたという情報は既に入っていた」と後に語っている。
「恐竜戦隊」と題されているが、哺乳類であるサーベルタイガーやマンモス、翼竜であるプテラノドンなど、恐竜以外の生物もモチーフに含まれている。これは5体すべてを恐竜にすると外観のイメージが似通ってしまうため、モチーフのバリエーションを豊かにするために変更されたとされている。初期設定での5体のモチーフには、ティラノサウルス(赤)、トリケラトプス(緑)、プテラノドン(青)、ブラキオサウルス(黒)、ステゴサウルス(黄)が設定されていた[1]他、ティラノザウルス、トリケラトプス、プテラノドン、首長竜、ディメトロドン という案も存在する。
特徴
本作品でもいくつかの特徴的な新機軸が導入されており、それまでの作品でも試みられていたファンタジー風のモチーフが本格的に採用され、中でも「巨大ロボット」に当たるキャラクターには「守護獣」という人知を超えた存在との設定がなされている。ジュウレンジャーを導き助力し、時に試練を与えるという守護獣の存在は、ストーリー面でも添え物以上の活躍を見せた。これまでドラマパートから乖離しがちだった巨大ロボが、世界設定やストーリーに深く関わるスタイルは、後の戦隊シリーズ作品に引き継がれていった。
また、同様に本作品から本格的に導入された要素として「6人目の戦士の登場」が挙げられる。本作品でそれに相当するドラゴンレンジャーことブライは、演者である和泉によれば当初は5、6話程度のゲスト出演という予定であり、レギュラーになることは念頭に置かれていなかったことを窺わせるが、ブライが母親層からの人気を獲得したことにあやかって予定が変更され、文字通り「延命」して番組後半まで活躍したという逸話も残っている。事実、ブライ退場話となった第42話では本作品の最高視聴率である13.2%を記録、金曜17時台後半に放送された戦隊の中でも2番目に高い数字を残した。
変身後の名乗りではシリーズ中初めて本名まで名乗るパターン(例:「ティラノレンジャー、ゲキ!」)が使用されており、後に同様のパターンを採り入れた戦隊の先鞭をつける形となった。
キャスティング
戦隊側メンバーではプテラレンジャー/メイ役に当時アイドルとして活躍していた千葉麗子が起用された。この頃から、撮影真っ只中の役者のインタビューも増え始め、さらにそこでの彼女の起用により、特撮=芸能界への登竜門というイメージが一般に広まっていくこととなった。またドラゴンレンジャー/ブライ役には当時劇団東京ヴォードヴィルショーで活躍していた和泉史郎が抜擢された。
本作品の敵役である魔女バンドーラ役には曽我町子が抜擢された。自他共にはまり役と認めるこの役は、第1話から強烈な印象を視聴者に残し、瞬く間に多くのファンを獲得したものの、この強すぎるインパクトと第1話での5人の戦士の出番の少なさから、本来の視聴者である子どもたちまでもが、メイン5人よりバンドーラのほうが好きになるという事態を招いてしまった。その対策としてスタッフが話を進めるごとにバンドーラの出番をどんどん減らし、5人を活躍させるようにしていったという裏話もある。
ナレーターには初期の戦隊でもナレーションを多数手がけた大平透が登板し、オープニングナレーションをはじめとした重厚な語り口で作品を引き締めた。
スタッフ
メインライターはそれまでメタルヒーローシリーズでメインライターを務めていた杉村升が担当。RPG要素をふんだんに織り交ぜたシナリオでシリーズに新風を吹き込ませた。この他高久進や、杉村の弟子に当たる荒木憲一などが脇を固めた。また演出陣にはパイロット監督の担当である東條昭平の他、そして本作品で本格的に監督デビューを果たした渡辺勝也、そして小笠原猛といった面々が名を連ねている。
オープニングテーマは過去にも戦隊への出演・主題歌の歌唱経験のある佐藤健太が担当。本作品には俳優としての出演はないが、キャラクターデザインの篠原保は、ブライのデザインイメージに際しては、元々佐藤が演じることを念頭に置いていたと語っている。
評価
以上の本格的ファンタジー世界の構築、6人目の戦士の追加、そして後述する海外版の制作開始など、本作品は様々な面でシリーズのエポックとなった重要な作品である。高年齢層からの支持は低かったものの、明朗でわかりやすいストーリーと、恐竜という子供に人気の高いキャラクターをモチーフを加えたことで、当時の幼児層から高い支持を集めることとなった。
関連商品の売上は90億円強[2]という数字を残しており、とりわけ玩具売上では合体ロボットの売上がスーパー戦隊シリーズでトップの売上を記録。近年の特撮雑誌などで語り草になるほどの大ヒットとなった。
備考
後楽園ゆうえんち野外劇場(当時)のスーパー戦隊ショーに変身前を演じる俳優が出演する公演が加わったのもこのジュウレンジャーからである。ただし、ジュウレンジャーの素顔公演ではブライを演じた和泉のみの出演に留まっている。
また本作品より、スーパー戦隊シリーズが『パワーレンジャー』のタイトルで海外向けに翻案され、こちらも長期シリーズとして定着している。
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小学館より発刊されている雑誌てれびくんでは、本作品よりスーパー戦隊のテレホンサービスが開始されている。2000年代初頭までは同テレホンサービスの脚本を荒川稔久が手がけていた。(荒川が戦隊に不参加の作品も含む)
2008年5月から11月まで、東映チャンネルの「スーパー戦隊ワールド」枠にて再放送が行われた。